便秘すると肌が荒れるのは何故?|美容と健康は紙一重

肌の話

あなたは毎日排便がありますか?便秘は体質であって病気ではないと思っている人は多いですが、便秘が肌荒れに関係するとしたらどうでしょうか?今回は、「便秘すると肌が荒れる」といわれる理由についてお話しします。

どうして便秘で肌が荒れるの?

便が作られるのは大腸です。腸には小腸と大腸があり、口から入ったものがおりていくと、小腸では栄養、大腸では水分が吸収されます。水分が吸収されて塊になったものが便ですね。小腸と大腸を混同している人も少なくないのですが、いわゆる「腸活」の腸は大腸を指しています。

便秘をすると、便が大腸にとどまります。便の半分は腸内細菌ともいわれていますが、残りは食べもののカスや体から排出された不要物です。しかし便秘となって大腸に長く便がとどまり、不要物や毒素が体に吸収されることがあります。この吸収されたものが血液をめぐって肌へ届き、肌からいらないものを排出しようとした結果、湿疹や肌荒れといったものが出るようになるのです。

肌荒れの他にも、血行不良によりむくみや冷え、体臭がするケースもあります。便秘はしない方がいいことがよくわかりますね。

ところで、便秘は薬を飲んで治療をしたほうがいいのでしょうか?

便秘を病気と考えるかは人それぞれ

2017年に日本で初めての慢性便秘症診療ガイドラインが発行されました。これによると、便秘は「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」と定義されました。治療が必要な状態を「便秘症」とし、排出回数軽減や排出困難といった状態別にそれぞれ分類されています。

便秘は状態を表すものであって、治療が必要な病気とは限りません。

  1. 週3回でもスムーズに排便できる
  2. 毎日排便があっても力んだり硬かったりする

1番はスムーズな排便ということで、便秘とは言いがたいでしょう。2番は毎日排便があるのでOK!と言いたいところですが、排便に時間がかかったり切れたりする可能性もあるので、便秘と指摘されるかもしれません。

このように様々なケースがあるので、同じ便秘体質でも人によって診断も変わります。人の話に惑わされず、自分はどうなのか?を考えることが大切です。

大腸と肌は同じグループの仲間

古くから陰陽五行という考え方があり、ここでは大腸と肌は同じグループとされています。体の仕組みを見ても、大腸と肌はひとつづきなので影響しているのも理解できますね。便秘は病気ではありませんが、体からのサインが肌に出ていると考える人もいます。体からのサインと考えたら、体調管理のバロメーターとしてわかりやすいですよね。

ただし、ここで便秘薬を使う人がいますが、薬剤師のしぃ先生はあまりおすすめしておりません。

便秘薬で便秘になることも

便秘薬にもいろいろありますが、中には「自然なお通じ」「生薬だからやさしい」といったフレーズを聞いたことはないでしょうか?これは確かに間違ってはいません(生薬がやさしいとは思わないけど)。それなのに、なぜおすすめしないのか?

なぜなら、便秘薬は一時しのぎだからです。

一旦、大腸をすっきりさせるために使用するのは問題ありません。問題なのは、その後です。全く同じ生活をしていませんか?これではまた便秘になるでしょう。そしてまた便秘薬を飲む…エンドレスに続く可能性があります。

便秘薬を何度も飲むようになると、次第に毎日薬を飲まないと排便しなくなり、さらには規定量では便が出なくなってしまうケースも出てきます。実際、市販の便秘薬を倍量以上飲んでも排便がなくて入院したケースもあります。たかが便秘と思わず、毎日の健康のバロメーターとして排便チェックをしていきましょう!

美容のためにも健康に

ファンデーションのノリを気にする人は多くても、それがどこから来ているものかを知らない人が多いのではないでしょうか?便秘の定義が難しいからこそ、まずは力まずに排便できるところから始めていきましょう!